日本
増補新版 通州事件(志学社選書)
日本
増補新版 通州事件(志学社選書)
- 出版社
- 志学社
- 出版年月日
- 2022.07
- 価格
- \3,190
- ページ数
- 256
- ISBN番号
- 9784909868077
- 説明
- 憎しみの連鎖を断ち切るためには、実証的に知ることが必要だ
盧溝橋事件による日中戦争開始から約3週間後の1937年7月29日、北京にほど近い通州で、日本の傀儡政権である「冀東政権」麾下の中国人部隊・保安隊が突如反乱を起こした。「通州事件」と呼ばれるこの反乱によって、225名の日本居留民(うち111名が朝鮮人)が殺害された。
現在の日本国内における通州事件に対する認識と議論は、残念ながら日本居留民の殺害のみに着目し、中国人兵士の残虐さを強調し、ひいては中国そのものへの憎悪を煽るプロバガンダ、あるいはヘイトスピーチの水準にとどまるものがほとんどである。
本書は、通州事件の原因や予兆の有無、責任の所在、弔慰金における日朝格差、報道機関によるプロパガンダ利用、被害者家族のその後──こうした諸問題について、資料に基づき実証的な見地からその全貌を捉えなおすものである。
事件発生から八五年が経過しようとしている。隣国への憎悪を煽るためでなく、断ち切るためにこそ通州事件を知り、繰り返さないこと──それこそが、後世に生きる我々のつとめではないだろうか。
※本書は2016年に星海社より刊行された『通州事件 日中戦争泥沼化への道』を大幅に改訂のうえ、新たに第四章、辻田真佐憲氏によるコラム、資料編を加え、再編集を行なったもの。