日本
図書大概
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図書大概
- 出版社
- 汲古書院
- 出版年月日
- 2013.03
- 価格
- ¥8,800
- ページ数
- 469
- ISBN番号
- 9784762912252
- 説明
- ※出版年が古いので新本ですがヤケ・シミ・痛みがございます。
【第7回ゲスナー賞「本の本」部門 銀賞受賞】記念フォーラムにて林望氏絶賛。
◆林 望氏 推薦文 「まさに我が意を得たり」 より
この書を撰(つく)り著せる大沼晴暉さんは、現今随一の書誌学者であることは言を俟たぬけれど、実は、それ以前にまた民具研究、とりわけ漁具漁法研究界に於ける耆宿でもある。と同時に、伝統の話芸、就中に古典落語に関しては生き字引と言って過言でない人である。本書劈頭に、まずもって「図書とは何か」という命題を掲げて、これを詳密に分析論断するところを読めば、この著者が、決してそこらの学者先生とは同じからぬ魂の持ち主であることを知るであろう。曰く、「・・・図書の場合、写本或いは刊本という複製を作り、それで読者を増やしてゆくという方法がとられた。複製全てが云わばニセモノであるという前提に立つのが書誌学の立場だと私は思っている。それだけにそのニセモノがどういうニセモノなのかを、今流行のことばで云えばアイデンティファイするのが書誌学である」と。これほど簡勁明晰に「図書そして書誌学とは何か」ということを言い表した文章を私は他に知らない。かくて、とかく「読み物」としては敬遠されがちな、図書学の概論書としては、異例の面白さと、無類の具体性と詳密さを兼ね備えた、まことに珍しい、図書学概論書の金字塔というべき名著である。