日本
毛宗崗批評『三国志演義』の研究
日本
毛宗崗批評『三国志演義』の研究
- 出版社
- 汲古書院
- 出版年月日
- 2017.12
- 価格
- ¥8,250
- ページ数
- 310
- ISBN番号
- 9784762966057
- 説明
- 【序章より】(抜粋)
本書は、なぜ、毛宗崗本が通行本になったのか、という問題を解明するために、李卓吾本から毛宗崗本への書き換え、および毛宗崗本が付けた評に着目する。その際、第一に、魯迅の方法論を継承して、文学としての表現技法を検討していきたい。毛宗崗本の文学表現を明らかにすることからは、多くの版本が出回る中で、毛宗崗本が通行本になった理由が浮かび上がってこよう。第二に、津田左右吉の方法論を継承して、毛宗崗本の表現に現れる社会通念の検討により時代風潮を明らかにしていきたい。そのことにより、明清時代の女性の位置や儒教の規制力の強さが確認されるだけでなく、善書・関帝信仰の反映など、道教の浸透も見えてくるであろう。
本書は、中国社会のあり方を考察する手掛かりとして、『三国志演義』を中心とした中国古小説を題材としながら、近世中国の規範意識を解明するものである。