日本
「関帝文献」の研究
日本
「関帝文献」の研究
- 出版社
- 汲古書院
- 出版年月日
- 2018.09
- 価格
- ¥9,900
- ページ数
- 305
- ISBN番号
- 9784762966187
- 説明
- 関羽・関帝を研究対象とした日本初の学術専門書、刊行なる。
【はじめにより】(抜粋)
三国蜀の武将である関羽に対する崇拝は、遅くとも唐代に始まり、明清にいたって隆盛を極める。また、北宋以降、関羽に対する爵位の追贈も続いた。北宋の徽宗が「忠恵公」に追贈したのをはじめ、明の万暦年間には帝位に登り、清代になっても加封は続けられた。さらに、神となった関羽を祀る関帝廟も各地に建立されていった。
関帝信仰の高まりと共に、元代以降、関羽/関帝の伝記や伝説、関羽/関帝に関する評論や詩詞などを収録した文献が数多く出版された。これらの文献を「関帝文献」と総称することにする。「関帝文献」の内容は多岐に渉り、文献によって、また時代によってそれぞれ異なっている。
本書は、「関帝文献」とはいったい如何なるものであるのかを解明することを目的とする。具体的には、多種の「関帝文献」は総体として如何なる特徴や性格を持つのか、各文献にはそれぞれどのような特色があるのか、「関帝文献」は如何なる目的で出版されたのか、「関帝文献」は関帝信仰の中でどのように位置づけられるのか、などである。
これらを解明するにあたって、本書では、それぞれの文献を構成する内容(篇)のうち、文献間に共通する内容に注目して比較分析・検討を行なうという手法を採る。文献間に共通する内容について分析・検討することは、総体としての「関帝文献」の特質を解明するのに有効であるだけでなく、かえって個々の文献の特色や傾向を浮き彫りにしたり、それぞれの文献の位置づけについて明らかにしたりすることにもつながるからである。