日本
呉趼人小論-`譴責`を超えて
日本
呉趼人小論-`譴責`を超えて
- 出版社
- 汲古書院
- 出版年月日
- 2017.12
- 価格
- ¥7,700
- ページ数
- 253
- ISBN番号
- 9784762966026
- 説明
- 魯迅が命名した'譴責小説'、その本来の意味を新事実を交えて再考する。
【序論・第一章より】
清朝最後の十年間に新聞雑誌をはじめとする新たな出版業態を背景に盛行した小説を一般に清末小説或いは晩清小説と呼ぶ。呉趼人(1866-1910)は作品数、影響力ともに清末を代表する作家であったが、辛亥革命以降あい続き湧出した政治運動、文学運動の潮流に措き去られ、その人と作品についての全面的研究は二十世紀末年からようやく始まった。
文革終結後、多くの論者が作品分析、再検討を試みたその結果、政治思想面で後れた《社会小説》、社会意義に乏しい《写情小説》という評価が定論とされている。その根拠をなしているのは、鴛鴦胡蝶派小説の隆盛をもたらした写情小説、革命派を批判した「上海遊驂録」、旧道徳を称揚した「新石頭記」である。筆者は呉趼人の《社会小説》、《写情小説》各作品を考察する作業を進める過程で、幾つかの新発見を得た。……
さらに呉趼人作品の解析を進めながら、従来の評価を再検討していきたい。