日本
秦漢刑法研究
日本
秦漢刑法研究
- 出版社
- 知泉書館
- 出版年月日
- 2007.12
- 価格
- ¥9,900
- ページ数
- 528
- ISBN番号
- 9784862850249
- 説明
- 前近代の中国では,法律は民衆を統治するための道具であった。本書は「律」という法規範,その中でも刑法に関わる条文を分析し,国家が民衆を統治しようとする政策的意図を明らかにする。
秦律,漢律のなかの刑罰法規を分析することにより,犯罪処罰の全体的な傾向を考察する。まず殺人,傷害,窃盗など典型的な犯罪に対する処罰を考察,それを踏まえて未遂,予備,陰謀,共犯,連座など犯罪一般に共通する問題を検討して,秦律,漢律では刑罰を通して犯罪の発生を抑止しようとする「一般予防」が,前近代社会のなかでも特に重視されていたことを明らかにする。
中国古代史研究は睡虎地秦簡などここ数十年に多くの出土文物が発見され,従来の文献には未見の多数の史料が出現し,古代史像の再検討が迫られてきた。本書は重要な史料として世界的に研究が進められている張家山漢簡「二年律令」を駆使し,唐律など後世の刑法とも比較しつつ,秦・漢における犯罪と処罰の関係を総合的に解明した先端的な業績である。