日本
『論語』考索
日本
『論語』考索
- 出版社
- 知泉書館
- 出版年月日
- 2009.01
- 価格
- ¥7,700
- ページ数
- 440
- ISBN番号
- 9784862850508
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- 説明
- 『論語』の最古の形はいかなるものか。孔子の活動や孔子学団の実態はどのようであったか。それらの考察を通して二千年以上にわたり中国社会の基盤を支えてきた儒学思想の核心に迫る。
『論語』の成立に関して後世の資料や孔子の言葉自身にも信用できないものがあるなど,論語を取り巻く複雑な構造が明かされ,『孟子』については孟子思想の中心にある仁義概念の成立と漢代にかけて古代史が固定される以前の実情や抹殺された古代史について戦国中期の事情を伝える貴重な情報源であることが明らかにされる。
経学前史では左氏伝,孟子,荀子などを通し『詩』『書』が固定される以前の実情を考察,経書のはらむ問題点を指摘する。また天人相関説と陰陽配当論では災異説の実際と陰陽の対応について考察する。
さらに『漢書』に見られる〈故事〉が〈武帝故事〉にはじまり当時の官僚の行動基準に影響を与え,『春秋』とは異なる処罰の基準であることを示す。
多岐にわたる視点から古典文献の成立年代を踏まえ思想形成の実相へと迫る誠実な学的探求は読者に深い知的刺激を与えるに違いない。