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中国古典社会における仏教の諸相

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中国古典社会における仏教の諸相

著者
西脇常記
出版社
知泉書館
出版年月日
2009.10
価格
¥10,450
ページ数
568
ISBN番号
9784862850683
説明
 仏教は随唐時代に中国人の宗教として新しい仏教を生み出した。それは当然儒教と道教に多くの影響を与え,また仏教もこれら二教から強い影響を受けた。中国思想の中で仏教はどのように受容され,どのような影響を与え,いかなる相互作用が展開したのか。
 国家イデオロギーとして君臨する儒教の下では異国の教えである仏教は破棄すべきものであったため,仏教と儒教の関連資料も少なく充分な考察がなされてこなかった。士大夫が取り組むべきは儒教だけであるが,それは社会の表の姿であった。裏では仏教や道教と常に強く結びついていた。とくに外来の組織である仏教にとっては,漢字を基盤として確立していた儒教文化の下に受容されるには,その基盤の上に立って社会的な地位を固め,教えを広め,定着を図らねば,その存続すらできなかった。
 著者は中国思想史の観点から仏教書と仏教徒の作品を通して儒教との関連を解明する。「Ⅰ 仏教史書」では天台宗史の成立を検討して,仏教と世俗権力との関係を考察し,「Ⅱ 仏教徒・仏教信者」では唐宋期の仏教徒の遺言や墓誌銘を手がかりに個人の側から仏教の受容を検討する。「Ⅲ 中央アジア出土の漢語文献」はヨーロッパのトルファン文書研究の状況を伝え,その文化的意義を明らかにする。
※出版年が古いので新本ですがヤケ・シミ・痛みがございます。