朋友書店
  • トップ
  • 国家の想像と文化自覚-日中グローバル化の史的研究

日本

国家の想像と文化自覚-日中グローバル化の史的研究

国家の想像と文化自覚-日中グローバル化の史的研究

日本

国家の想像と文化自覚-日中グローバル化の史的研究

著者
銭国紅
出版社
汲古書院
出版年月日
2022.07
価格
¥14,300
ページ数
513
ISBN番号
9784762967160
説明
日中グローバル化を世界史の中に捉え直し、日本と中国の存在意義を追求する。
【はしがきより】(抜粋)
 本書は世界の一体化はいかにして進行したか、グローバル化、すなわち世界の一体化はどのようにして起こり、世界史にどのような影響を及ぼしたか、国境を超えるヒト・ モノ・カネ・情報・文化の緊密な移動、その移動を通じた各種のネットワークの形成を観察し、記述するグローバル世界史の研究(秋田茂『グローバル化の世界史』ミネルヴァ書房 2019 年)の目標を共有しつつ、中国と日本のグローバル化の実際を浮き彫りにし、世界における中国や日本の存在意義を新しい視点や角度から深く問いかけるものである。また本書の日本での出版は、他山の石」との役割も期待できる。筆者の中国人としての目から観察した日本の記述から、日中両国の相互理解や日本人の自国認識や中国認識に対しても、少なからざるヒントと刺激を与えるだろうと信じる。
 第一部―第三部は日本と中国における世界像の形成を、アジアとの連動において捉え、近代以前の日本における「世界意識」の芽生えとその成長ぶりを、蘭学者と清末知識人を中心とする知識人の思想や行動を通じて分析する。
 第四部では伝統とグローバル化との関係を考察する。儒教は古代中国で非常に厳密な政教合一の形態を持っている。ここでは政権は即ち教権であり、皇帝の教権的身分は天の子であり、皇帝の発する行政命令の冒頭では「奉天承運、皇帝詔曰」となっている。しかし政権と教権が長期間において癒着する結果、辛亥革命によって皇権が転覆されると、儒教も皇権の崩壊に伴い急速に政治の表舞台から消えていく。しかし儒教というDNAは本当に中国社会という膨大な「体」からその「用」を完全に喪失させてしまっただろうか、第二部はこうした伝統とグローバル化との関係を近代初期の日本との比較を通じて考察する。
 第五部では日中両国の知的思想家たちが新たな国家構想を模索する中、如何にして文化自覚の境地に至ったかを分析する。